ついに明日、タンゴ学校オルケスタの卒業コンサートです。2年間やってきた事の全てに"最後の〜"が訪れています。最後のパート練習、最後の固定リハが過ぎ、、最後のコンサートに向けて練習中です。大事な新CD発表コンサートでもあります。
私たち14期生は、モダンタンゴの父、そのスイングの礎を作ったとも言われるヴァイオリニスタ、オルケスタディレクターのアルフレド・ゴビの、レコード化されなかった、ラジオ収録の録音にしか残っていないピアノソロ・オルケスタ作品を採譜・再現しCDに残す、というとても貴重なプロジェクトの録音に参加する事が出来ました。
その中身はピアノソロが7曲、オルケスタが3曲。ちなみにソロのピアニスタは日系3世で今のオルケスタのピアノコーチであるクリスティアン・アサトによる録音です。
練習開始から録音まで3週間、(=全体リハは確か6.7回)みっっちりゴビ3曲をローテーション。それこそ1小節ごとに止めて、拍の感じ方やフレージングを全員で理解し合わせていく。もう本当に1曲に詰まっている音楽的内容が濃く細かいんです。
かつてレオポルドフェデリコが初めてゴビ楽団のリハーサルに行った時、楽譜は完璧に練習していたけれど、フレージングやリズムについてのあまりの注文の細かさ&多さにパニックになり泣き出したという逸話があるほど…。
私たちのリハーサルもそれに近く。どうだったっけ?と先生たちも迷いがあると、聴いては真似て、聴いては真似て… ここの八分音符は 酔っ払いのような、とか、コルドバの方言のアクセントのような、とか、そんな説明もありました。笑
終わると頭がふらふらするくらいリハーサルした事は今でも良い思い出であり、きっとこの先こんなに誰かと細かく音楽を作っていける機会は多くは訪れないのだと思いますが、これからの糧になる貴重な経験でした。
ちなみに↑の写真はリハーサルの風景と見せかけて、録音の風景。
リハーサル場所でもある、カフェビニーロに機材を入れて。当時の録音方法に似せるため仕切りも立てず、バンドネオンとヴァイオリンはそれぞれ固まってメディアルナ(クロワッサン)形を作り、向かい合わせになり、間にマイクを立てていきました。
明日のコンサートには、そのゴビ楽団でも演奏していたバンドネオニスタのマエストロ オスバルド・ピロをゲストに迎えます。素晴らしいマエストロです…
明日が終わったらもう2度とこの家族のようなオルケスタで演奏出来ることはない…と思うと今から泣きそうですが、行ってきます!
↑一枚目は大好きなバンドネオンメンバー。この写真は一年前のものですがみんないい笑顔の大好きな写真。(実はひとり、スティーンお姉ちゃんがツアー中のため欠席)
二枚目は、毎回リハーサルが終わるとみんなで必ず立ち寄ったカフェコルタサル。
ビクトルが必ずいて、毎回時間のある人や気が向いた人でお茶に行くのがお決まりです。
この写真は最後のお茶会のときのもの。
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